「苗字呼び、先輩呼び。
どっちも禁止。
楓って呼べよ。」

「え」

「え、じゃねぇ。
か、え、で!」

「か、楓。」

「よく出来ました。」

朝みたいに手を繋がれていた。

そのまま学校を出て駅に向かっていた。

「あの、かえ、で?
どこに行くんですか?」

「あ、忘れてた。
敬語も禁止な。」

そう言ってスタスタと歩くペースを変えない。

いや、だからー!!

「ねぇ、楓!
どこに向かってるの!!」

「観覧車。」

は、はい?!

観覧車って、急過ぎません?!

ってか、待って!

「楓、私、高い所ダメなの。」

そう、私は高所恐怖症です。

「大丈夫だ。
俺が一緒にいるから。」

あぁ、そっか!
楓が一緒だもんね!!

って、それも違うー!!