「えと、この度は
ど、どのようなご要件で?!」

どもりながら口にした言葉は、
赤西先輩のツボに入れてしまったらしい。

「ぷっ、なんだよその喋り方!」

しばらく笑われたままの状態で私は覚悟を決めていた。

「葉菜。」

急に静かになった。

風の音がよく聞こえる。

海が近いからか、
うっすら潮の香りがする。

「俺と付き合わない?」

「へ?」

付き合わない?かって???

あ、赤西先輩と?!

「わ、わたしがぁ!!?」

え、そんな無理でしょ!

釣り合わなすぎるでしょー!!

「わ、私と赤西先輩は
月とスッポンくらい違いすぎます!!」

「失礼なやつだな。
誰がスッポンだよ。」

「え、いや!!
スッポンは私です!!」

「じゃあ、スッポン同士、
仲良くしようよ、葉菜。」