先輩彼氏✕後輩彼女

だから私はいつも徒歩で登校している。

通学路を歩く間に小さな児童公園がある。

ブランコが2つと滑り台が1台。

それに畳2畳分くらいしかない砂場と1つしかないベンチ。

小さい時はよくここで遊んでいた。

私は少し懐かしさに浸っていた。

だから、私は気がついていなかった。

公園内に1つの人影が見えていることに。

「葉菜、何してんの。」

人影の正体は、赤西先輩だった。

学校で会うと思っていたけど、
まさかこんな所で会ってしまうなんて、
思ってもいなかったから驚いた。

「あ、赤西先輩!?
どうしてこんな所にいるんですか??!」

慌てて私は口を動かしていた。

「なんでって、
俺ん家この近所だから。」

「そうだったんですか……。」

この近所って私の家とも近いんじゃ。

「何ぼーっとしてんだよ。
ほら、行くぞ。」

そういって赤西先輩は私の横を通り過ぎて公園を出た。