〜さかのぼって、田中と藤堂が探し始めて一時間経過した頃〜
『街中若い子が行きそうなところも、ありさちゃんが教えてくれたところも回りましたが、
いませんね……。』
田中と一緒に街中を探し回っていた藤堂が頭を抱える。
『探し始めて一時間は経っている。これ以上私たちだけで探すことはできない。
そろそろ敬人さんに……。』
そう言い、運転していた車を道に寄せて、携帯電話で美咲の父に連絡をする。
『もしもし。
はい……、まだです。
敬人さん、早いうちに警察に届け出をした方がいいかもしれません。
私たちで街中を探しましたが、見つかりません……。』
田中の提案をすぐに聞き入れ、電話を切ったすぐ後に美咲の父は最寄りの警察署へ連絡した。



