『はぁ、どうしましょうね。』





藤堂は美咲の頑固な性格を知っている。
一度帰らないと口にしたら、簡単に気持ちを変えることがない。
どうすべきか、田中に相談していた。






『うーん、そうだね。
本当は心も体も家に帰りたいと思うんだけどね。
無理矢理帰らせるわけにはいかないし。今回のことをお父さんに話す訳にもいかないしな。』






美咲からはまだ言われてないが、父親には絶対に話さないようにと口止めされるだろう。
もし話すようなことをすれば、勝手に話したと、また気持ちをこっちに向けてくれないだろう。






『もう少し様子を見てみよう。今は熱も完全には下がってないし、どうせ一時帰宅はさせられないしな。』






田中先生の一声で、様子見となった。