『まずは栄養指導を受けること。
充分に食事の作り方や摂り方はわかってると思うけど、今回のことがあったからには、もう一度食事のことを見直して欲しい。』





藤堂先生からまず一つ目。





『それから数日間しか家にいられないけど、無茶はしないこと。』





二つ目。






『熱が出たり、お腹が痛くなったり、下痢が止まらなくなったりと、体に異変が出たら、まずは病院に電話すること。』





三つ目。





『いい?分かった?』




藤堂先生が三つのことを話した後、念押しされる。私はコクリと頷いて返事をした。





『もしお父さんが出張でいないようなら、病院に戻ってきてもいいし、うちに来てもいいから。』





田中先生が口を開く。




「ありがとう…ございます。





でも……、どうして退院じゃないんですか?」





納得いかなかった。一時帰宅できるなら、退院したかった。





『退院はまだ美咲の様子を見たいから。』





「何の様子?」





『たまに過呼吸になるだろ?
それに食事を少しずつ固形のものに変えれるように、入院して様子みたいんだ。』





っていうことは、まだまだ退院は先……。





数日間の一時帰宅で、ぬか喜びしていた気持ちが、完全に退院するのはまだ先と知り、気分はただ下がり。




『今から帰宅してからのことを楽しみにしていてね。』





田中先生の言葉も頭に入ってこなかった。






なんだか……残念な方向に進んでるな…。