俺、男装少女だから。

「払う、払わせないで喧嘩。」



「コイツの諦めが悪ぃんだよ!」



『何言っちゃってんの?
コウキのほうが悪いから。』



バチバチと火花が見えるくらいに睨み合う。



「ほら迷惑になるからお店、出るよ。」



店員から商品を受け取って、カエデは俺の腕を引っ張った。
トオヤも慌ててトオヤの手を取って引っ張る。
リンは相変わらず、俺のあとをくっついてくる。



「店の中で喧嘩しない。
なんでこうなったのかは何となく分かったけど、2人とももう少し大人になってさ。」



『大人になって払うって言ってんですけど〜?』




「あ?こっちも大人になって言ってやってんだよ。
つーか、もう俺が払ったんだからいいだろ!?」



俺たち2人の言い分を聞いたカエデとトオヤは頭を抱えて、息を深く吐いた。



「じゃ、じゃあ分かりました!
那智くんが紅綺くんのアクセサリー代を払えばいいんじゃないですか?」