俺、男装少女だから。

「あ、僕も学校用のカーディガン欲しいです!」



「おう!ここはオススメだぞ!!
おい、那智。
テメェも何か欲しいもんねぇか見てみろよ。」



欲しいものも何も、洋服に興味ないんだど。



『ん〜。』



「んだよ、その曖昧な返事はよ。
凛、お前も手伝ってくれ。」



「分かった。」



ずっと隣にいたリンはコクリと頷いた。



「んじゃ、シャツ見るぞ。」



ハンガーにかかっているシャツ類を物色し始めた。
店の奥ではトオヤとカエデがカーディガンを当てあっている。




「これか、これ。コレもいいな。
・・・コレのネイビー系のはねぇのかな。」



サッサっと良さげな物をリンに押し付ける。



「ほい、こんなもんか。
那智、こっから嫌なヤツ抜いとけ!」



そう言って、コウキはまたどこかに行こうとしている。




『ちょいちょい、どこ行くのさ?』




「あっ?上着見に行くんだよ。」