俺、男装少女だから。

カエデが1日の予定を大まかに立ててくれた。



「んじゃ、まずあそこからだな!」



先を歩み始めたコウキとトオヤ。
そんな後を着いて歩く俺たち3人。



「那智、昨日の夜ご飯は何か食べた?
それに朝も味噌汁だけだったし、体調悪くない??」



俺の顔を覗き込んだカエデ。
顔を逸らすように横を向けば、リンが冷たい目でこちらを見ていた。



『ん〜、別にフツーだよ。』



「嘘、つかない。」



『ついてないよ〜。』



リンの単語話にカエデは不思議そうにしていたけど、俺にはよく分かる。



「ならいい。」




「よく分かんないけど大丈夫ってことだよね?」



『そ〜ね、大丈夫だよ。』



まだ俺は頑張れるから。



「おい、那智!選んでやっから来いよ!!」



仕方が無いと、渋々店内に足を踏み入れると同時に店員が頭を下げた。



「へ〜、凄いオシャレな店だね。
俺も何着か買おうかな。」