俺、男装少女だから。

先を歩いていたカエデが振り返った。



『え?うん。』



何か変か?
身なりをもう一度確認してみるけど、至って普通。変なところはない・・・はず。



『変??』



グレーのシャツの上にまだ寒いから黒のパーカー。下はジーパン。



「変じゃないけど。」



「女なんだろ?
オシャレとかしねぇのかよ。」



言葉を濁したカエデに続いたのはコウキ。



『あ〜。』



首の裏を撫でながら、思わず苦笑いを浮かべる。



そんな行動を不思議に思ったのかトオヤが首を傾げていた。



『興味ないんだよね〜そういうの。』



お気に入りのブランドもない。
着れればなんでもいい。



「俺が、コーディネートしてやるよ!
アクセサリーを含めてな!!」



結構時間経って忘れていると思ってたのに。



「那智くん、カッコイイからなんでも合いそうですね!」




「レディースものじゃなくていいの?」