俺、男装少女だから。

『そんなに怒る?
リンくんこっわいわ〜。』



「・・・」



『はいはい、分かりましたよ。
吐きません。』



そうでも言わないとお前は引く気ないんだろ?



「ん、約束。」



あまり表情を出すことがないリンが口角をあげた。
ほんの少し、本当に僅かだけどリンは笑った。



「準備してくる。」



家を出る予定の9時まであと10分。



俺も準備するか。
つっても、財布があれば十分か。



机の置いた革の財布をジーンズの後ろポケットに入れて準備完了。



頭の中で今日揃えた方がいいものを整理する。



ローテーブルがあった方が便利か。
そうなると、絨毯は敷くことになるだろ。
あとは、いちいち水を下に降りに行くのは面倒だから、ミニ冷蔵庫は必須。



こんなもんか。



服は2着あれば十分足りるだろうし。
タオルは、あらかじめ何枚か持ってきるし。
寮にも新品のものが何枚か備えられていたのを昨日確認した。