俺、男装少女だから。

「元はと言えば、おめぇが遅せぇからだろ！」



椅子を引いて腰を下ろしながら、リンと何か話しているコウキに声をかけた。



先に席に座っていた2人は声を出して笑いコウキは、ぷんすか怒りながらリンの腕を掴んでこちらに来た。



『おーおぉ。そんな怒りなさんなって。
カルシウム不足なんじゃない？
トオヤ、今度カルシウムの多い料理をコウキに作ってあげて？』



「え？あ、はい！」



「おいっ！」



「紅綺、離して。」



「早く食べようよ。」



全員が違う話を口にする。
もう、その場はめちゃくちゃだった。



トオヤはずっとカルシウムの多い料理について考えてるみたいで「カルシウム・・・カルシウム・・・」とブツブツ呟いているし、コウキはずっと俺に怒鳴っている。



リンは紅綺に腕を離せと訴え続け、カエデはコウキをなだめようとするが聞く耳のない紅綺には無意味な事だった。



『いっただっきま〜す。』