俺、男装少女だから。

口角を上げてみるものの、笑えてる感じは全くしなかった。



「それはコッチのセリフ。
無理やりはダメ」



リンはきっと無理やり笑うな、そう言ってる。



『だいじょーぶ、無理やりじゃないよん。』



眉間に伸びた腕を優しく掴んで、真っ直ぐなリンの目から視線を外した。



「嘘もダメ。」



外した目線の先にまたリンの綺麗な黒色の瞳が入ってくる。



ゆらゆら ゆらゆら



瞳が揺れる。
自分でも分かるほどリンの言葉に動揺してる。



それが伝わらないように俺は堅く口を結んだ。



「早く座れ・・・って何、見つめあってんの?お前ら。」



『・・・おぉ、にらめっこだよ〜。
見てわかんないの〜?』



リンから今度こそ、視線を外してダイニングテーブルにつく。



リンの横を通った時、リンはやっぱり変わらず無表情だった。



『ちょっと、コーキ。早くして!』