俺、男装少女だから。

『はいはい。
どーでもいいから早く。』



後ろ手でスクールバックを探る。



「はい。」



リンが差し出したのは求めていたスクールバック。



『ありがと。』



まだ少ししか経っていないのに、リンはよく笑うようになったと思う。



スクールバックに制服を入れてチャックをしめる。



『終わった〜?』



「あぁ。」



コウキにしては珍しく無愛想な返事。
まださっきのことを引きずっているらしい。



「お待たせしました。」



スクールバックを5人纏めて教室の隅に置いて集合場所に向かう。




外でボール投げや200メートル走を記録して、その後体育館で握力や体前屈などをやった。



久しぶりに体動かしたし疲れた。



「那智、凄いね。
俺たちと記録そんなに変わらない。」



カエデが記録表を見て感嘆の声を上げた。



外見装っていてもやっぱり中身は変わらないわけで、高校1年男子の平均とまではいかないけれど、女子の平均は悠々超えた。