俺、男装少女だから。

「那智くん・・・。」



『ん?』



今度はトオヤが呆れたように俺の名を呼ぶ。
返事をしながら体育着を着てベルトを外す。



「ズボン、ココで脱ぐ?」



隣にいるリンは、既に体育着姿。
着替えんの早すぎだろ。



『ん?うん。』



ズボンのファスナーを下げてホックも開けていく。
手を離せばバサリと音を立てて落ちていくズボン。



落ちて行くと同時に「うわぁ!」なんて叫び声を上げながら手で顔を覆う、コウキとトオヤ。



うるさい。



目の前にいるリンも俺も耳に手をやって塞いでいた。



「・・・だと思った。」



そう言って体育着を着るカエデは、楽しそうに口元を緩めていた。
カエデは気づいていたみたいだ。



『流石にパンツはまずいでしょーよ?』



タンクトップとは訳が違うと思う。
だから制服のズボンの下から体育着のズボンを履いてきた。