俺、男装少女だから。

「ぼくっだって!
めっちゃ、可愛い!!」



いつの間にか俺は囲われていた。



『大丈夫ですよ、先輩たちは測定しててください。
ありがとうございました。』



触れてこようする手をやんわりと避けて、離れた所にいる皆の方に戻る。



背後から、「え〜行っちゃうの〜」なんて落胆する声が聞こえたが知らないフリ。



『いないってさ〜。
って言うか見てないで助けてくれてもいーじゃん。』



リンの肩に腕を乗せて口を尖らせる。



「ごめん迫力が凄くって。」



『も〜まぁいいか。
教室行ってみる?』



いつまでもここにいる訳には行かない。
視線は感じるし背後は相変わらずうるさい。



「職員室か教室ですかね?」



「そうだな。
職員室にいなくても誰か知ってるやついんだろ。」



「それじゃあ職員室行こうか。」



渡り廊下をまた渡って北棟に戻る。



「職員室なら行けんな、俺らでも。」