暖かさに包まれた心
抱えて入った部屋
ドアの閉まる低い音を聞いたかのように
倒しておいた写真立てが
床に落ちた

いつかの君の笑顔の横で
ガラスのひびが入る
向こう側に私

私は笑っていただろうか
泣いていたのだろうか

写真立てから出してしまえば
あの時の私は分かる

けどそれをしない私は
きっと
あの時の私の姿を
鏡にすることがまだ
できないから‥

私はそっと
元の位置に
写真立てを伏せた

窓から見える月は
さっき歩いた道を照らしている

ふと気づけば
窓に映る微笑んだ私

そう

私の新しい魔法の鏡