「あっ、おい!」 柏木くんの引き止める声を無視して、私は保健室を出た。 バクバクいっている胸を抑えながら、ひたすら廊下を走った。 「くそ、ずっりぃ……」 1人になった保健室で、柏木くんがこう呟いていることも知らないまま。