『え、でも……』 『元気になったらお礼でもなんでもしてよ。 ほら、寝る寝るー』 そう言って、私の目元に当てた柏木くんの手のひらはひんやりと冷たくて、 柏木くんの声が優しくて、笑った顔も優しくて、 ⦅ありがとうって、気持ち、ちゃんと伝わってるからさ⦆ こんな微かな声も聞こえた気がして、 柏木くんって、カッコいいなぁ、なんて。 そう思いながら、私は目を閉じたんだ。