「俺、やっぱりお前のこと応援できない」
「...え?」
「だから、お前の恋、応援できない」
な、なんだって!?
あたしはびっくりする。
そして、不安になる。
「お、怒らせちゃったかな...」
聖は怒ると本当に何もしてくれなくなる。
この前あたしが勉強を教えてもらってた時、ちょっとうとうとしたらめっちゃ怒られて、「もう教えない」と言われ、本当に教えてもられなくなった。
まぁその時はカンちゃんに教えてもらえたからいいんだけど。
でも今回は怒る理由が見つからない。
「な、なんで...?」
あたしは恐る恐る聞いてみる。
「だって、俺お前のこと好きだから」
あぁ、そういうことかぁ。
ーーーって、は???
なんだって????
「お前のことが好きだから、応援できない。もうこの関係じゃいられない」
聖が平然と言う。
は、はぁぁぁあ!?!?
聖があたしを好き!?!?!?
う、嘘...................。
「ま、そういうことだから。」
ただただ立ち尽くすあたしに、聖はそう言った。
いつのまにか、家の前に着いていて、聖は「じゃあな」なんて言って家の中に入ってしまう。
あたしは文句のひとつでも言ってやりたかったのに、喉になにかが詰まったみたいに「うん」しかいえなかった。
あたし達の関係は、この時から崩れ始めていた。




次の日の朝。
あたしは妙に早起きしてしまった。
理由は決まってる。
聖に告白されたから。
思い出すだけでドキドキしてしまう。
あたしは早川くんが好きなはずでしょ?
そう思うのに、胸の高鳴りが止まなくて、苦しくて、パジャマのTシャツをギュッと握りしめる。

あたしはその日、いつもより早く学校に来た。
いつもは聖が迎えに来てくれるんだけど、さすがに気まずい。
「なんで急に...」
思わずため息が出てしまった。
「あは、すっげーため息」
そう言って教室に入ってきたのは...。
「は、早川くん!?」
「おはよう、新木」
そう言って屈託のない笑顔をあたしに向ける。
その笑顔を見たあたしは、みるみるうちに顔が真っ赤になってしまう。
「は、早川くん今日は早いね。どうしたの?」
話題を変えたくて、そんなことを言った。