「湊、茉梨ちゃん、おはよ!」


当たり前になっている湊とふたりの登校。
いつも通り並んでわたしがしゃべって湊がそれを聞きながら歩いているときだった。


後ろから最近聞き慣れてきた声が聞こえた。

湊と同時に振り返ると笑顔の吉井くんがいた。



「吉井くんおはよ」

「はよ」

「一緒に行こ!」


朝から元気な吉井くんにつられてわたしも笑顔になる。




「いいよ。一緒に行こ」

「ありがとう茉梨ちゃん」


吉井くんと話すようになってから1週間が経った。

いまでは行動をともにすることも多くなり、わたしたちのことを名前で呼んでいる。


ぐっと距離が縮まった。

初めて話したときは、こうやって行動を共にするとは思わなかった。