「ねぇ、湊」


ガヤガヤと騒がしい校舎。
他校の制服やヘンテコな服を着た人が歩いているのを目で追いながら、たこ焼きを口に放り込む。

学祭の模擬店とはいえ普通においしい。


おいしいけどじっくり味わうことはなくすぐに飲み込み、間髪入れずふたつめを口に放り込んだ。

もぐもぐと数回噛んでから、それもすぐに飲み込む。



「おかしいと思わない?」


花壇の縁に並んで腰掛ける湊に尋ねた。

そしてまたたこ焼きをひとつ食べる。



「なにが?
てか半分こだろ。それ以上食うなよ」


わたしの手からたこ焼きの入ったパックを奪おうとする湊の手を交わし、6個入りのたこ焼きの4つめを一口でぱくり。




「食うなって言ったのに」


ボソッと文句を言いながら、再びたこ焼きを爪楊枝に刺したわたしの手を掴み、自分の口へ無理やり運ぶ湊。