彰悟君は声がした方を見上げる。



私も階段の陰に隠れてそっちを見た。



「あぁ早坂か……」



翠だった。



「蒼か翠、どっちかわかる?」



「翠の方だろ」



「正解」



翠は彰悟君の隣に座った。



「1人でどうしたの?」



「そっちこそ」



「私は…散歩したくなって歩いてたの」



「俺は月を見にきた」



「満月って綺麗だもんね…」



「あぁ……」



なんとなく近寄りがたい雰囲気で立ち聞きはダメだと思ったけど動けなかった。