すごくかっこいい男の子だ。

先輩かな。


「こ、校章を二階から落としてしまって……さっきから探してるんですけど、なかなか見つからなくて……」


恥ずかしかったけれど、せっかく声をかけてもらったから小さな声で説明をした。


「……そうなんだ」


彼は納得したようにそれだけ言うと、ふっと消えてしまった。


あれ、行っちゃった…。


まあ、そうだよね。


知らない女生徒の落とし物なんて興味ないよね。


傷つくわけではなく、特に気にせずにもう少しだけ探してみようと再開していると、


「──この辺りに落ちたの?」


ついさっき聞いた声がまたして、胸がどきんと跳ねた。


草むらに落としていた顔をあげると、

窓の向こうに立っていた男子生徒がなぜか目の前に立っていたんだ。