そうやって話しかけてくれるけど、早く帰って欲しい。
正直、市川くんのことは苦手だから。
ただ、私に持ってるものを持ってるからっていう嫉妬なんだけど。
なんか、市川くんと一緒にいると私が哀しい人って言われてるみたいで。⋯⋯怖い。
私がそんなこと思ってるのを知らず市川くんは私の席の前に座って身体をこっちに向けた。
「えっと、市川くん⋯⋯?」
「日誌書いたら?」
「いや、書くんだけど⋯⋯帰らないの?」
帰って欲しいという願いを込めて言う。
「俺暇だし」
「友達は?」
「先に帰った。俺委員会だったから」
そういうことか。
市川くん委員会入ってたんだね。
「そう」
それだけ言ってまた日誌を書き始める。
「⋯⋯」
でも、
「あの、そんなに見られると書きずらいんだけど」
視線が痛い。

