私と全く違うじゃんって。
友達は欲しいけど欲しくないし、彼氏も欲しいけど欲しくない。
そんな思いだから出来ないのもあるし、故意的に作ってないの。
美奈の場合は押しに負けた。
やっぱり押しに弱いんだ、私。
そんなことは置いといて、市川くんは積極的に話すし、関わっていく。
それなりに意識はしてないかもだけど努力をしてるんだろうなって思った。
それなのに私は苦手意識を持ってて。
また、自分が嫌いになる。
「中瀬さん」
私の家の前で市川くんに名前を呼ばれた。
「えっと⋯⋯なに?」
そんなに改めて名前を呼ばれるとさすがの私も照れる。
「菜乃花って呼んでいい?」
「え?」
「いや、だ、ダメならいいんだけど」
「いいよ」

