【完】大切な人なんて作っちゃダメだったのに。



「⋯⋯」



「はーい、行くぞー」



何も言わない私の手を握って歩き出す。



強引だ⋯⋯。よりにもよって市川くんと一緒に帰るなんて。



でも、帰ろうと言われて断ることが出来ないのは私の悪いところ。



はぁ




「わかった、わかったから!⋯⋯手放して」



「えー?どうしよっかなー」



「市川くん!」



そんなに私男子に免疫ないんだって。今でも心臓バクバクなのに。



「ははっ」



そう笑いながら市川くんは手を放してくれた。



そうやっていろんな女の子を好きにさせていくんだろうな。




「あ、中瀬さん、家どっち?」




「こっち」




「じゃあ、行こっか!」



ん?