【完】大切な人なんて作っちゃダメだったのに。




「中瀬さんって可愛い字してるよな」



「それ⋯⋯褒めてる?」



「褒めてるでしょ」



「それはどうも」



はぁ。はやく帰って欲しい。調子狂うし日誌も思うように書けない。



字のこと言われたからなんか字を書く時意識しちゃうし。



そのあとは黙々とやってやっと終わった。



まぁ、視線はビシバシ感じてたけど。



「⋯⋯」




もう、市川くんは存在ないことにしとこ。ありまくってるけど。



無言で席を立ち日誌帳だけもって職員室に向かう。



「先生、日誌です」



「あら、ありがとう。お疲れ様」



美人な担任はにこっと笑って日誌帳を受け取ってくれた。



性格よくていい先生。



「はい。失礼します」