ゆなは、後輩からも先輩からも人気が高い。

「じゃあ、これやっといてね、やり方分かんなかったらすぐ呼んでね?私飛んでくる!」

ははっ

『ゆな先輩、そんなに心配しなくても俺これくらい出来ますよ』

「できないかもしれないでしょ?」

『うるさいですよ、あ、ゆな先輩が可愛く応援してくれたら頑張れます』

「うーんそれは何億積んでも無理だ〜可愛くないもん」

『お、ゆなちゃん、先輩らしくなったな〜〜』

あれは…イケメンって言われてる先輩?

ふふ

「そうでしょ〜?褒めて下さい♡」

『はいはい、ゆなちゃんはいつまでもふわふわしてるとこ可愛いよ』

「もう!先輩は子供扱いじゃないですか!!」

ぷく。

ははは

『ゆな先輩って俺らに混ざってもいけますよね絶対』

「まぁっなんですって!恐ろしい子!」

年下扱いされて本当に嫌がってるな、あれは。

『はい可愛い可愛い〜〜"ゆなちゃん"可愛いね〜』

きいいい

「せんぱーい涙」

ふみゅ…

ゆなもあの先輩には懐いてるからくっつくよな〜〜

「お前…後輩が先輩いじめるな?あとゆなちゃんはふんわりしすぎてるし可愛いけど先輩だからな」

イツキ「!うわ、なんか負のオーラが見える気がする」

マナ「ほんとそれ、原因すぐわかるし」

ホノカ「怖いな〜もう」

ぶくくく

チカ「後輩くん、気をつけてね」

イツキもマナもホノカもチカも同期だけに俺たちのことを知っていてうるさい。チカは楽しそうだし。

『?はい』

スタスタ

少しイライラしてそのイケメンな先輩に話し掛ける。

「…オウヤ先輩、」

オウヤ「…あぁ、そういえば。ごめんな、…お前…嫉妬か?」

察したような素振りのオウヤ先輩に精一杯の笑顔で返す。妬いてなんかない。

「違いますよ」

にこ

ここぞとばかりにゆなに話し掛ける俺ダサいな、(笑)

「ゆな、さっきのあれさ、」

「んっ?うん、?」

イツキ「心狭すぎ、凌妬きすぎ」

オウヤ「なにあいつ?まあ、わかるけどね」

『凌先輩ってぇ、ゆな先輩のこと好きすぎじゃないですか?私もくっついてるのに全然見てくれないんですよぉ』

イツキ「え?」

マナ「え、凌に抱き着いたり…とか…?」

「そうですっ!可愛く行ったはずなのに〜〜」

ユウ「ゆなはそんなことで妬かないし凌くんがゆなを可愛すぎて毎回悶えてるし過保護ってるくらいよ」

チカ「もうどっちも笑い止まんない♡ゆーなっ♡」

「?どしたのチカ〜〜?♡」

むぎゅうぅうぅ

チカ「誰よりもスキ♡」

「ぎゃーわたしもすき!チカ!」

こそっ

チカ「愛しの彼氏が妬いてるぞ〜〜」

「?」

ゆなはあんまり気付いてないっぽい。良かった…

**

夜になって、みんな寝る場所に帰ると、

『あ、凌先輩とイツキ先輩帰ってきた』

『遅いっすよ〜〜先輩達何してたんすか?』

「…会議?」

イツキ「そんな良い言い方じゃないよただの井戸端会議。」

『あ、今ちょうどランキングやってたんすけど凌先輩、イツキ先輩誰推しっすか』

"ランキング"とは、男子は女子を、女子は男子をランク付けして1位、2位、3位を決めて楽しむだけのもの。あんま好きじゃない人もいるんだよなこれ。

「またそんな遊びやってんの?」

イツキ「お前ら誰推し?」

『いや、ダントツゆな先輩推しです男子は割とゆな先輩推しです』

まじか。

『え、俺はチカ先輩推すけどな〜〜美人?』

チカは確かにすぐ男にくっつくけど顔は美人。

『ユウ先輩とチカ先輩、ユキカ先輩とレミ先輩も推してる奴いますね』

「へーゆなそんな人気なんだ?アホっぽいけど」

イツキ「ま、ゆな可愛いもんな〜アホっぽいけど」

「…うわ、明日ゆなと朝起こす役割なのに時間決めてない忘れてた。ちょっと一瞬女の子の部屋行ってくる」

イツキ「早く行ってこいよ、時間遅いし」

ガラッ

『イツキ先輩、誰推しなんすか?』

イツキ「俺は今は居なくなった先輩でめちゃくちゃ可愛い先輩がいたからその人推しかな」

『え、ゆな先輩も推してないですか?』

『イツキ先輩とゆな先輩仲良いじゃないすか?』

イツキ「仲良いけど、同期みんなそんなもん。ゆなは家が近いから、それだけ。(しかも凌のものだしゆなは)」

『でも凌先輩もゆな先輩と仲良いよな、…あれ?ゆな先輩って男女関係なく誰とでも仲良いわ」

イツキ「あーそういう子なんだよねあの子」

『オウヤ先輩とか、先輩みんなにも可愛がられてて凄いですよね、今日ゆな先輩がオウヤ先輩に頭撫でられてるの見ました」

『なにそれ俺ゆな先輩の頭撫でたい』

『え、キモ』

イツキ「なにそれいつも通り過ぎて気づかなかった」

「あー、ゆなボケすぎて困った」

イツキ「凌。またゆなは何したの?」

「時間決めようって言ったら5時!とか言うからいや集合時間って言ってて」

イツキ「天然すぎて困るとこだね」

ゆな、イツキに呆れられたら相当(笑)

『え、まじでゆな先輩って天然ですよね?なんであんなにふわふわしてるのに、仕事出来てるんですか?』

イツキ「んー昔から数えたらキリないしなぁ」

『可愛いけどな〜』

『まじでゆな先輩狙おうかな』

は、…それはちょっと、待って。(笑)

「…」

イツキ「…」

ふはっ、

イツキが俺を見ながらニヤニヤしてる。

『ゆな先輩ふわっとしてるし狙えそうじゃないですか?彼氏居ないですよね?』

イツキ「さあどうかな〜あんまそっち系聞かないしな〜居ないんじゃない?」

イツキはニヤニヤしながら…いや、あくまで秘密を守ってくれてるだけ、そう、いやでもゆなを狙われるのは困る。(笑)

『レベル高いからこそ良いですね。最後の打ち上げの時狙います』

**

イツキ「で、どうするの?大爆笑しそうで困ったよほんとに」

「まあ勝手にさせとこうかなって」

あえて、ね。

イツキ「いつも通り凄い余裕っすね」

「まあ、どーしようもないし」

イツキ「(実は焦ってるんだろうなぁ…)でもほら、ゆな天然だから、誘われたら付いてっちゃうかも」

「………………イツキ、………それはあり得る」

クスクス

イツキ「…まーゆながバカすぎたら助けるよ。あんなに仕事は出来るのに普段ほんとほっとけないからな〜」

「そこが可愛いとこでもあるけど。あーでも後輩からも可愛い可愛い言われてて先輩からも可愛がられてて最近危ないよな…」

イツキ「まぁ最後の打ち上げの時は2人きりでどうぞ」

「当たり前、その予定しかない」

流石イツキ、やっぱ持つべきものは友達。