【胡桃 side】
「…んん…っ。」
あつい……
ふと目が覚めると辺りはもうオレンジ色に染まっていた。
…結構長い間寝てたんだ…。
あっ…、そう言えば…バイト…!
今日、夕方から入れてたの忘れてた…。
やばい…
慌ててスマホを探すけど見当たらない。
あれっ…どこやったっけ。
とりあえずとにかく探さないと…!
ベッドから降りてスマホを探していたら
ゆっくりとドアが開かれ、入ってきたのは侑李くん。
そして、片手には私のスマホが握られていた。
「…ごめん。夢野…通知がうるさいからなんだろうって思ってたら……
電話来ちゃって…出ちゃった」
申し訳なさそうに謝る侑李くん。
え…電話…?
「同じバイト先の蓮見理人ってやつから」
「……っ、」
理人から…?
「……電話、出たんだけどさ…
えっと、夢野と蓮見理人は付き合ってるの?」
「……え?」
思いがけないことを聞いてきた彼。
え、そんなのもちろん…
「付き合ってー…」
「…うん、知ってる。
なんかこの後お見舞い来てくれるらしいから俺、帰るね」
私のスマホを手渡してから気まずそうに
呟いた。