そして今は、そんな親達と過ごした家で一人暮らし。

ローンは叔父がもっていると言っていた。


すると、

「あっ…侑李くんから電話……」


スマホには着信画面。

スワイプして、電話に出た。


「ー…えっと、もしもし…?」


『お、良かった〜出てくれて。

今俺さ、薬局出たんだけど夢野ん家わかんねーから電話で案内してくんねー?』


「え、あ、うん…」


『さんきゅ!』


私は家の道までを電話越しに彼に伝えた。

「…んで、黄色いマンションの真ん前が私ん家。

表札に、夢野ってあるでしょ?」


『おお、さんきゅ。

えーっと…夢野…夢野…あ、あった』


「分かったみたいで良かった〜。

じゃあ電話切るね。あと、いちおう鍵空いてるから」


『はーいよん』

電話を切って直ぐに、ピンポーンとインターフォンが鳴った。


除くと、レジ袋をかかげてニコリと笑う侑李くんが映されていた。


「はーい、いーよ。入って〜」


ーガチャ

「おじゃましまーす…お、夢野元気?」

「うん、少しだるいけど大丈夫だよ」


「はいこれ。一応、スポーツドリンクと熱さまシートとおかゆとか買ってきた」


「ありがとう…助かる」


「いーえ。

…それより、お前風邪ひいてるんだからベッドで寝てな」


靴を脱いで玄関のすぐ側にレジ袋を置いて、私の手を引いた彼。


「え、っ…」


「ほーら、部屋まで案内して?俺、わかんないからさ」