すると、水晶の方は緑色に蛍光していた。水晶が花弁のように広がっており、緑色の花のように美しかった。
 そしてダイアモンドは水のように青色に鮮やかに光っている。まるで澄んできれいな海をそのまま石にしたようだった。


 「すごい!!どれもとっても綺麗!」
 「ダイアモンドの方は内部に石油が入っているから光るとわかっているのですが、水晶の方は何故光るのか不明なんです。」
 「石油が入っていると、こんなに綺麗な色に光るなんて………綺麗ー!ずっと見てられるね。」
 「………夢さんの鉱石と色が違いますよね。だからどれも違うものなんだと教えたくて。」
 「そうだね。確かに違う色だよね。」


 ブラックライトと光る2つの鉱石は寒色系である青と緑。そして、夢の右手の鉱石は暖色系のオレンジだった。


 「僕の手元にはない、珍しい石だと思います。」
 「そっか………ふふふ。」
 「夢さん、どうしたの?」
 「律紀くんって、鉱石の話になると敬語になるよね。」
 「あ、それは講義の癖みたいなもので。……すみません。」
 「ううん。なんか、かっこいいと思うよ。」
 「………ありがとう、ございます。」

 律紀は少し照れながら指で鼻をかき、はにかんだ。


 その後は2人でコーヒーを飲みながら、3つの鉱石の光を楽しんだ。
 ふたりの座ってた距離が近くなっていた。それに、夢は気がつきながらも心地よさを感じながら、彼の肩に触れ、夢は綺麗な鉱石を見つめ続けた。