隣で歩く君は笑顔で僕に
「ずっと仲良しの友達でいようね。」と言った。
その笑顔は僕がずっと見てきたキラキラしたもの
だけど…
僕は君の友達じゃないよ……
僕は君の彼氏なんだよ。

デート終わりの帰り道でに通り魔に刺されてた君は
1週間ほど病院で眠っていた。
どんなに忙しい日でも君のところにかかさずに行った。
君が目覚めた時は不安から解放された気分だった。
でも、それは一瞬のことで
目覚めた君が僕に言ったことは
「どうして、ここに居るの?」のひと言。
その問いに答える前に
「ゆうくんは来てくれたかな?」と言葉を遮った。
ゆう……
僕と付き合う前に君の好きだった人…
君は僕と付き合っていることは忘れて
僕と友達の時の記憶に戻ってしまった。
医者が言ったのは「ショックによって自分の
よくない記憶だけが消えてしまった」ということ。
それを聞いて、目の前が真っ暗になった。
君は僕と付き合いたくなかったのかもしれない…
でも、あの時「よろしくお願いします」って
笑顔で言ってくれた言葉は嘘だったのかなとか思う
けど、こんなことでクヨクヨしてらんないから
もう1回、君が僕のこと好きになってくれるように
努力するよ。
そして、精一杯の気持ちで告白するね…
それまで君の仲の良い友達を演じるから。
僕が告白したら
あの時みたいに「よろしくお願いします」って言ってね。