学校を飛び出して、朝あいつとぶつかったかどへと急いだ。

膝をつき、一生懸命探し始めた。

15分後

なんでないの。
こんなに探したのに。

すると、

「おい。」

頭上から聞き覚えのある声が聞こえた。

「なんですか。」

振り返らなくても、バカでも覚えている。

この声はあいつだ。

「もう、やめろ探すの。」
「あなたには関係ないです。」
「だから、探すのやめろって。」
「だから!!関係ないでしょ!!」

そう、怒鳴りながら振り返ると、目の前には探していた、

「指輪。」

私がしゃがんでいるのに高さを合わせて、あいつもかがむ。

「朝、落として行ってた。」

そう言いながら、私の手のひらに指輪のついたネックレスを置く。

「え、持ってるならもっと早く言ってよ。同じクラスなんだし。」
「お前な、せっかく持ってきたのにそれはないじゃないですか。」

もう、なんなのこいつ!!
ちょっと話してるだけなのに、イラつく。
はぁ、朝から疲れる。
見つかったしもう帰ろ。

帰ろうと思い、立ち上がろうとした瞬間、膝に痛みがはしった。

「イタッ。」

視線を膝にもっていくと、出血していた。

「うわ、それは痛そ。」

あいつも私の膝を見てから、呟いた。

アスファルトに膝をつきながら探せばこうなるか....
ま、家に帰ってから、、、、

「お前、家どこ?」

急に、声をかけられ一瞬びびる。
い、いえ?
急に何言ってのこの人。
何でそんなこと言わなきゃなんないの。

私がよっぽど変な顔をしていたのか。

「ブハッ、なんだよその顔。」

笑われたことに対して、恥ずかしさがこみ上げて、顔が赤くなる。

「大丈夫、押しかけて襲うとか考えてないから。」

は?
なにを言ってるんださっきからこの人は。
誰もそんなこと思ってないは!!

「その怪我じゃ帰れないだろ。」

再び、膝に視線を戻して見直すと思った以上に出血していた。
たしかに、動く度に、ズキズキ膝が痛む。

「ここ俺の家だから、寄ってけ。」

そう言うと、目の前のマンションをあいつは指さした。

え?!
このマンションが自宅?
このマンションって、すごい金持ちばっかが住んでいると前から有名なマンションって噂になってるマンションじゃん。

「......」

え、私結構やばいやつと今話してる?
どうしよう、ここはダッシュして逃げるべきか?いや、この足じゃ追いつかれるに決まってる。それか、、、、

「おい、聞いてんのか。」
「え?あ、はい聞いてます。」

ずっと考えて答えない私にイラついているのが、口調と表情からわかった。

「あーもう、行くぞ。」

無理やり腕を引かれて、目の前のマンションに連れ込まれる。

「え、ちょっと。なんなの!」