「おはよう、真昼。」
「凛、おはよう。」

無事2人きりの休日も終わり、週明けだ。
龍のお母さんも夜には帰ってきて、仕事先のお土産話をさんざん聞かされた。

「あ、珍しい。あの龍様がマスクしてる。
顔も売りの1つだから、マスクなんてつけないでほしいのに。」

いや、ごめんよ凛。
それ、多分私のせいだ。

私がのぼせて倒れてしまった(らしい)翌日。
目を覚ますと、龍の部屋にいた。
いや、全く覚えておらんのよ。

とにかく、私が龍の部屋で寝てたせいで、龍はリビングで寝ていたらしく。
春だからといって、布団もかぶらずに龍は寝たらしい。
そして、風邪をひく。

いや、ちょっとまてよ。
それ、半分は龍のせいじゃない?
え、ていうか

「なに、凛あいつに興味あるの?」

今、顔が1番の売りって。
(結構失礼な発言だけど…)
ていうか、龍様って何、あの人この学校の王子かなんかですか!
なに、凛、龍に気があるの?

「そうかも。」

かもってなに、え、ど、ど、どういうことでしょうか。

「ていうか、私だけじゃなくて学校中の女子龍様のこと狙ってるよ?」

え、そうなの?

ふと、教室を見渡すと、ほとんどの女子が龍を見つめている。

入学式あってまだ1カ月弱だよ?
みんな早くない?
私だけ?気づいてなかったの。

「そう、あなただけよ。」