「おはようございまーす!。」

8時になって風紀検査が始まった。
そんなに服装が乱れていなければ注意することはない。
校舎に向かっていく生徒を横目に朝の挨拶をする。

「花咲おはよう。」
「桐生おはよ!。」
「朝からご苦労さん。」

同じクラスで生徒会副会長の『桐生ツバサ』(きりゅうつばさ)が話しかけてきた。いや~、いつ見てもイケメンだわ。
ドイツ人のクォーターでトルリンガルのイケメン。
もちろんモテモテで、1週間で何回は女子生徒に呼び出されている。
でも、彼女いないんだよなぁ…。
なんで作らないんだろ(?)

「どうした?。そんなに見つめて。」
「いや、お兄さん男前ですなぁって。」
「言い方がおっさんだな。…男前ならあそこにいる眼鏡もだろ。」

桐生が振り向いた方向を見ると何故か藤堂の前に列ができてた。
…よく見るとあれ、ローゼ学院の女子部の制服じゃん…。
ローゼ学院には共学部(私たちが所属している)と女子部がある。
こっちは基本ブレザーだけど、女子部はセーラーなんだよね。

「あ、あの…。スカーフが上手く結べているか見ていただけませんか?。」
「僕でよければいいですよ。」
「ちょっと!割り込まないでよ!藤堂さん、わたくしのも見ていただけませんこと?。」
「順番に見ますから押さないでくださいね。」

スカーフぐらい鏡見ればいいやん。
ってか、ならんでるやつわざとスカーフ不格好にするな!

「藤堂も大変だな。」
「ね…。」