~莉桜side~
 眠い目をこすりながらなだらかな坂を登る。
まだ早い時間なので同じ学校の生徒はそんなにいない。
まぁ、それが当たり前なんだけどね…。
今日は、風紀委員主催の一斉検査の日。
風紀委員が校門に立って登校してくる生徒の服装を見るのだ。
そんなイベントために私は朝早くから学校へ向かっているわけ。
素直にねみぃ。

「ねぇ、高校どこ受ける?。」
「え~。やっぱ、バラ学でしょ!。」
「だよね!。制服可愛いし、校舎もきれいだし…!。」

部活の朝練でもあるのだろうか。
セーラー服を着た女子中学生がそんな話をしながら通り過ぎていく。
バラ学ー私の通う『私立ローゼ学院高等部』の愛称のようなものだ。
小高い丘の上に建つこの学院は100年前に開校した由緒正しい学校だ。

校則は割と自由で制服もいろんな種類がある。
リボンとネクタイとクロスタイの三種類から選べるし、
ボトムスはズボン、スカート、キュロットで好きなのが履ける。
中に着るのもセーター、ベスト、夏はフィッシュテールベストから選べる。
ちなみに私は、ネクタイでキュロット履いてる。
こんだけ選択肢があったら、人気だろうね。