彼の溺愛はわかりづらい。



「…でも~。ってことは、一緒なのよね~?ほんっと、燈はわかりやすいんだから」

「うるせぇ、ほっとけよ、息子の恋愛事情なんか」

「え~?だって気になるし?」

「まぁまぁ、燈も年頃なんだもん。そっとしといてあげようよ」



グッジョブ父さん!

今まで会話に参加してこなかった父さんの助け舟を、これほど嬉しいと思うことは初めてだ。そしてこれからも、そうないだろう。



「は~い」



母さんは、婆ちゃんの言うことも爺ちゃんの言うことも聞かねぇけど、父さんの言うことだけはすんなり聞くから、よかった。



「ま、燈。あんまり浮かれて仕事しないとか、いいとこ見せられないからね。ちゃんと仕事はしなよ?」

「わーってるって」



父さんの言うことは最もだ。

渋川に会えるのに浮かれて仕事を疎かにしたら、元も子もない。

…せめてこれ以上、嫌われないように。
これ以上嫌われたら、さすがに俺はへこむ。いや、もう既に充分へこんでるんだけど。豆腐並みのメンタルが崩れてハンバーグにされる。