彼の溺愛はわかりづらい。



「前から思ってたんだけどさー」

「なによ」

「俺のこと好きだろ?お前」



いきなり何を言い出したかと思ったら、何ふざけたことぬかしやがるんだコイツ。


今日はいつもよりコイツがかっこよく見えたりしちゃったのは認めるけど、好きかと言われたら、絶対ないから。ありえない。



「好きじゃない。うっさい。黙れ。勘違いナルシスト野郎」

「おまっ…冗談だけど、酷くね?」

「酷くねぇわ。好きな子にしかするもんじゃないでしょ、間接でも…キスとか」



そこんとこ、少しくらいは意識しといた方がいいよ、海堂。

女心を知ることも大事だよ、海堂よ。



「…お前はヤなの?自分の好きな奴が、他の男と、間接とはいえキスしてたら」

「そりゃあね。あ、あと二人で出かけられるとかもヤダ」

「へぇ」

「…しぃが、「期間限定モノが好きな女は大概飽きっぽいから、男に関してもそう」って言ってたけど、私は結構一途なのだよ。ほら、この……未鶴くんとか!かれこれ3年ぐらい変わらないもん、推し!出会ってからずっと好き!」



しぃは今まで、一体どんな恋愛をしてきたんだ……って思うことが多々ある。
物腰柔らかいのに割とミーハーで、色んな裏事情とか闇とか持ってるとこも含めて、私は好きだよ、しぃ。

なんて、今ここにいないしぃに向かって、届かないであろうテレパシーを送る。


っていうか今言ったこと、ほぼ未鶴くんへの愛を語っただけなのでは……と思ったけど、ま、いっか。