彼の溺愛はわかりづらい。



それでもやっぱり、少女マンガばっかり読んでた私は、そういうのちょっと、期待しちゃうじゃないですか。


…せめて彼女できたあかつきには、彼女くらいにはわけてやれよコノヤロー。
もしくは『好きな子』にはわけてやるべきだぞコノヤロー。

それなりの少女マンガオタク、渋川琴様の心のアドバイス、ありがたく受け取れよコノヤロー。テレパシーで。


なんて、脳内で愚痴をこぼしていたら。



――パクッ



「!?」

「…お、うんま」

「は?」



あろうことか、ヤツは私のイチゴアイスを食べた。



「渋川、どーした?」

「あ、あんた今…私のアイス食べた?」

「そーだけど。そうカリカリすんなよ。俺のも一口やるから」



さっきまで、「やるとは言ってねぇぞ」とか言ってたくせに。


…っていや、そこじゃなくて…



「それとも何?意識してんの?間接キス」

「…っ!」

「意外と可愛いとこもあんじゃん、渋川」

「意外とってなんだ貴様」

「…へぇー。間接キス意識してることは否定しないよな、さっきから」

「…」



言い返せない。言い返せないよ。だって事実だもん。

別に、私が意識してるとかじゃ…なくないんだけど、海堂は好きな子いるのにそういうことできちゃうタイプ?…それは私だったらヤダな。