彼の溺愛はわかりづらい。



そんなことを思いながら、私はお目当てのもの(未鶴くんのぬいぐるみストラップ)の入った機械を見つけて、そこまで怒られない程度の速度で走った。

…いきなりすぎて海堂が驚いていたことは、あとで海堂に聞いた話である。


誰も使っていなかったので、私は早速100円を入れると「未鶴くんおいで~!」と念じながら機械を操作して、見事一回で未鶴くんを救出した。



「取れた~!」

「お前、すげーな」

「よく来てるからね!」



私は得意気なって、海堂に、さっき取ったばかりの未鶴くんを見せた。


…けど、少し顔をしかめられた。未鶴くんこんなにかっこいいのに。

けどまぁ、特に興味ないものを間近で見せられたら、誰だってそういう反応になるか。



「…もしかして、それのためにここに来たとか?」

「おっ、なかなか鋭いね、海堂」

「いや…。…お前が超嬉しそうにそれ見せてくっからだろ」

「え?」



そんなに嬉しそうにしてたの?私。

…うわ、恥っず。海堂にわかるほど喜びが外に出ちゃってるとか…。



「…海堂って、私のテンションわかるほど、私の表情のレパートリー知ってんの?」