彼の溺愛はわかりづらい。



「海堂、私、巻き込まれるのだけは、アイスどれだけ奢ってもらっても嫌だからね」



私がそう忠告すると、海堂はなぜか溜息をついて、ギャルAさんはなぜか大爆笑した。ほんとなぜ。



「…頑張れよ、少年」

「…はい」



え、何?何かわかっちゃった感じ?


…急に謎の疎外感を感じるのはなぜですか。



「ね、じゃあそこのおねーさん、私と連絡先交換しない!?」

「なんでそんな話になったんですか」

「なーんか。二人に興味湧いちゃってさー」

「あー、そうですか。ごめんなさい」

「まーまー、そー言わずにさー」



グイグイ来るな、ギャルAさんよ。

そのとき私は、「あ、これ折れるまで諦めてくれないパターンだ」と瞬時に悟ったので、なぜかギャルAさんと連絡先を交換したのだった。



「おっけ。サンキュー。琴、じゃあよろしく」

「…はい」

「あっはは。堅苦しいから敬語やめてよー。いくらアタシの方が年上だからってさ、中身は大したことないアホ女なんだからさ。じゃ、邪魔者はこれにて退散しまーっす!海堂少年、健闘を祈る!」



…嵐のようにやってきて、嵐のように去っていったんだけど、悪い人ではなさそうだ。

追加された連絡先を見ると、【カナ】と表示されていた。カナさんというらしいことが判明した。