彼の溺愛はわかりづらい。



「おまっ、もったいねぇぞ!」

「知るか」



俺のことは、俺の好きにしたい。
…ほっといてくれ。



「その才能くれ」

「どうやって」

「わからん」



なら聞くな…と、言ってやりたいところだけど、まぁいいや。

そういう奴だ…って、ちゃんとわかってるし。



「…じゃあ、高校はどこ行くんだよ」

「…笑うなよ?」

「前フリか?」

「ちげーよ」



これでも笑ってきたら、ぶん殴るからな。
何が「前フリか?」だよ。



「……二高」

「は、マジで?お前の頭で?」

「…そう」



笑われはしなかったけど…うん、まぁ予想通りの反応。
心底驚いてるって顔だ。

そりゃそうだよな。
…万年平均点取れない俺が、普通の高校行くなんて。

実際俺も、スポーツ推薦に頼るか、特に勉強しないで入れるところに行くつもりでいたし。

だけどさっき、約束しちまったんだよ。
守りたいんだよ。