「それではTREASOMの皆さんです!曲はデビュー曲でもあり、最もファンから愛されるあの曲です!どうぞ!」



女性アナウンサーの張り上げた声がマイクを通して会場中に響いた。




観客のざわめきは大きくなり、悲鳴に変わる。




頭上のライトが一気に点灯し、熱く照らされる。




タカがバチでカウントを刻むと、ドラムの音とメルの弾くキーボードの旋律が絡み合う。
ベースのソウジがそこに加わり、さらに演奏は加速していく。



そして、タカがさらにドラムを叩く音を強くしたと同時に、レオがギターを勢いよくかき鳴らし始めた。
楽譜の音符一つ一つを丁寧に鳴らして、みんなの音が一つの音楽になる。


隣を見ると、レオと目が合う。
レオは挑発するように口角を上げて笑った。


その笑顔に笑い返し、目の前にあるスタンドマイクに手を置き、すうっと息を吸い込み、お腹にグッと力を入れる。





私たちは反逆者だ。





今日も大切なものを守るために、歌を全世界に届けてみせる。