夏の魔法




僕は目を覚まし、周りを見る。さっきまで、人通りの少ない道にいたはずだ。僕は、公園のベンチに横になっている。

「美影、悪かった」

僕の顔を覗き込んだ琥白は、そう言った。

「…どうしたの?」

「俺は、美影に魔法をかけたんだ」

「…眠らせる魔法か」と呟くと、琥白は「それ!」と言った。

「どうして、魔法をかけたの?」

「お前、とても苦しそうだったぞ。それに、移動出来そうにもなかったからな。美影を眠らされて、ここまで運んだんだ」

僕は「…ありがとう」と言って微笑んだ。

「…この間さ、美影に相談したことあるだろ?」

「確か、氷翠と紅月さんを仲直りさせたい…だっけ」

「そうだ。その事を、美影の両親に相談してたんだ」

「…そうか」

「そうしたら、良い案が出てきてな」

琥白はニヤリと笑い、その案を僕に話してくれた。