ベッドでイチャイチャしてると、サイドテーブルの
上で先生の携帯が振動する

甘い時間はおしまい

先生が電話口で発した名前に、私は夢物語から
容赦なく現実の世界へ引き摺り落とされる

「もしもし、ん?どうした?沙織」

身体を起こして、ベッドサイドに座り、
私に背を向けて優しい口調で話す相手はきっと奥さん

「うん、俺のことは気にしないで。
ゆっくり休みな。うん、じゃあ、おやすみ。」

手を伸ばせば届くのに、愛しいその背中は
はるか遠くに感じる