場が落ち着いたところで徹は私の部屋に来てくれた。

「仕事の途中だったんじゃなーい?」

 私の問いに徹は言う。

「女将さんに許可をもらっているよ」

「まさか、私のせいで無理を」

「事情を知った女将さんの方から勧められんだよ。奥寺マーリィさまはアンタが中学の時に付き合っていた人。アンタに会いにわざわざ、東京から見えられたんだろう? せっかくの機会だから、部屋でゆっくりと語り合うとイイよ。…な」

「そう。それは粋な計らいだよねー」

 説明を聞いて私は安堵した。