思い出そうとする徹。

「とにかく仕事中のところを悪いけど、顔を出してやってくれないか?」

「ハァ…、分かりました」

 徹は板長の許可を得ると、前掛けを外して板場を後にした。

「知り合い…」

 理央が反応していた。
 若い女性が徹に会いたいと聞けば無関心ではいられない。

 もしかしたら…

 徹さんの彼女…

 特別な感情を抱く理央にとっては気になる事である。