デートを重ねて行くうちに私は宮岸徹の意外な一面を知る事となった。
 料理を作るのが大好きだって事を。

 休日に自宅へ遊びに来た私に彼は初めて手作り料理を振る舞った。
 この日は家族は出かけて彼だけだったので、私はコンビニのオニギリで昼食を済ませようとした。

 すると、事前に電話で彼は私に指示して来た。

「お菓子は良いけど、メシとかは買うなよ」

「えーどうして?」

「オレが作るから」

「……ハァ?」

 冗談言っているのかと私は思ったけれど、彼が真顔で言うものだから素直に従った。