掃除も後片付けも全て終わったホールは営業中の慌ただしい時間帯とは違う静かな雰囲気に包まれていた。
 一角のテーブル席に奥寺先輩と宮岸さん。
 相席に私と裕太が座った。

 周りの席に戸村先輩と田代先輩、黒田先輩が座る。

 奥寺先輩が改めて宮岸さんをみんなにも紹介した。

「宮岸徹。私の中学の時の先輩だよ」

「先輩なんですか?」と戸村先輩。

「そう」

「お仕事は?」

「彼は板前さんなの」